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家具の音楽

BGM=背景音楽という発想の起源は、
フランスの作曲家エリック・サティの音楽、
1920年の『家具の音楽』にさかのぼります。

家具のようにそこにあることを意識しない、
ただそこにある音楽。

それは、いろんな作曲家の
インスピレーションソースになってます。
このブログでも以前紹介したブライアン・イーノの
アンビエントもそのひとつです。


サティが作曲した音楽には、とても静かできれいな、
BGMにもぴったりな音楽がたくさんあります。

例えば、有名なジムノペディ。1888年作曲。



嫌らしい気取り屋の3つの高雅なワルツ 『彼の眼鏡』。1914年作曲。



サティは、複雑化する音楽、巨大化するオーケストラの時代にあって、
時代の流れに逆らって、音数をけずったシンプルな音楽を作曲したんです。
そしてそれは、100年近く経つ今でも古びず、
時代を超えて響く音楽になったんですね。

サティの音楽のタイトルには、面白いのがたくさんあります。
『梨の形をした3つの小品』とか、
『犬のためのぶよぶよした前奏曲』とか。。。

だけど音楽自体は、タイトルとは逆で、
大げさなドラマ性とか、きらびやかな装飾とか、
ダイナミクスとかを避けて書かれています。



ところで、
クラシック音楽の録音は、実はBGMに向かないことが多いんです。
それはコンサートホールでの録音が多いからなんです。

アコースティックのコンサートは、
広いホールに響くように強いタッチで演奏されるし、
音の強弱=ダイナミクスが大きい。
ホールの演奏を室内に持ってきたら、
小さい音が聴こえなくて、大きい音にびっくりすることになります。

コンサートは鑑賞する目的だけど、BGMはあくまでBGMだから、
音の大きさで主張されると困りますよね。



だから、
サティの静かな音楽は、きわめてBGMに向いていると言えるんです。
『家具の音楽』は、音楽の録音を室内で楽しむ現代において、
ぴったりハマるコンセプトだったわけです。
100年近く前のサティのコンセプトがいかに時代を先取りしていたかに
驚くばかりです。

at 01:20, OTOLAB, 店舗とBGM

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